行政や経済関係の記者クラブにいると、鬼のように大量のプレスリリースが投げ込まれます。行政の場合、例えば流水プールの問題では「吸い込み防止金具なし ○施設 使用を禁止」など要点項目を並べただけ。記者が不足している思った点を取材して、記事にしていくわけですが、一部の大企業のプレスリリースはなかなかのもの。
例えば日産のHPにあるものだと
日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座、社長:カルロス ゴーン)は25日、2006年度第1四半期(4月~6月の3ヵ月間)の決算を発表した。
同期の連結売上高は、前年同期比3.1%増の2兆2104億円(193.0億USドル、157.1億ユーロ)となった。連結営業利益は、北米において4気筒エンジンの製品補償費用を一括計上したこと等により、前年同期比25.7%減の1,533億円(13.4億USドル、10.9億ユーロ)となり、営業利益率は6.9%となった。
同期の連結経常利益は、前年同期比25.6%減の1,567億円(13.7億USドル、11.1億ユーロ)となった。連結四半期純利益は、前年同期比4.2%増の1,102億円( 9.6億USドル、7.8億ユーロ)となった。前年同期には、固定資産の減損に関わる会計基準の適用、及び確定拠出年金制度導入に伴う一過性の特別損失を計上したため、今期の純利益は増益となった。
また、同期のグローバル販売台数は、前年同期比6.0%減の826,000台となった。
日産のカルロス ゴーン社長は、「期初に予測した通り、上半期は厳しい市場環境に加え、新型車の投入が1車種しかないため、非常に挑戦し甲斐のある期となる。しかしながら、2006年度通期の業績予想値の変更はしない。下半期の新車攻勢には自信を持っており、一連の新車投入は今年度下半期の業績のみならず、『日産バリューアップ』に大きく貢献するであろう。」と語った。(以下略)
それなりに記事になったものが送られてきます。ご丁寧にゴーン社長のコメントまで・・・。コメントをそのまま採用するのかはともかく、リードなどをちょっと手直しすれば、そのまま使えそう。巨大企業の広報だからできることかもしれませんが、地方自治体や中小企業も少しでも読みやすいリリースにしていけば、模写するだけの記者の立場はなくなってきます。
ネットで
ニュースリリースを流すサイトもありますし、かなりの企業がプレスリリース配布と同時に自社サイトに掲載するようになってきました。
記者にとっては、プレスリリースにない情報を取ってきたり、分析したりすることが重要なのは今後も変わらないんでしょう。ただ、いい加減にやっているとますます厳しくなっていくんでしょうね(自分もですが・・・)。